1. 支部研修の充実を目指して
今年度の「支部研修」の実施に当たっては、新たな観点からの展開が提案され、年度の事業計画及び収支予算の執行方針の審議が行われた定期総会で取り上げられて、前田淸海支部長から説明された執行部の考え方が了承されました。
その結果を受けて、今年度の「支部研修」では、基本テーマを「成年後見制度」として、関連領域の理解ととともに、後見業務の具体的な実例紹介等を織り交ぜながら、会員の実務能力の付与、向上に直接結び付くことを目指して、年間5回の研修会をシリーズとして開催することとなりました。
2. 第1回支部研修会開かれる
上記1.のような事情を踏まえて、今年7月6日(木)、午後6時15分から、ふじみ野市の「産業文化センター」の「第3会議室」において、その第1回が「成年後見制度の基礎1」と銘打って、開催されました。
講師は、副支部長の正木賢一会員が担当しました。
正木講師は、長年に亘って後見の実務に携わっていて、このたびの研修においても、行政書士が知っておくべき法定後見3類型と任意後見制度の概要解説を講義の中心に据えながら、入り組んだ専門性の高い事柄をその豊富な実務経験のもと、平易な話の流れの中で、噛み砕いて受講者に伝えてくれました。
講義の後半には、自身が受託してきた実例をベースに、個人情報の扱いにも細心の注意を払いながら、実務の勘所をしっかり押さえて業務に当たることの重要性を強調していたことが、強く印象に残りました。
3. 心構えと自らの振る舞いは?
9月7日(木)、午後6時15分から、前回と同じ会場で、第2回の研修会が「成年後見制度の基礎2」として開かれました。
講師は、これまた、成年後見の実務に詳しい総務担当理事の杉本佳久会員が担当しました。
杉本講師は、講義のポイントを自らの経験に照らして、「成年後見の初期相談対応と対象者別のあるべき接し方」を軸に進めました。
講師が真っ先に言及したのは、後見業務に取り組むに当たって、実務担当となった者の基本的な心構えについてでした。
まず相談に臨む姿勢として、
- 相手が言い掛けたことをこちらが横取りしないこと。
- 相手の事情説明に対して、こちらから予めワクをはめないこと。
- 後見業務に着手したばかりの時は、相手から急いで結論を引き出そうとしないこと。
などなど、多くの具体的な注意点を列挙してくれたことが、実際の実務対応時の心構えの在り方のヒントとして大いに参考になりました。
また、対象者別のあるべき接し方については、個々の案件ごとに、対象者の個性や置かれた立場、そして抱える心理的・身体的事情ごとに、その対応も変わることを予め想定する柔軟さが必要であるということも、十分肯けました。
さらに、当然のこととして、後見制度に関して、相手方に対して、どれだけ正確にその枠組みを伝えられるかが、非常に重要である、との指摘もありました。
因みに、今回の講義の中で、後見業務の対応に当たっては、参考図書として、この研修会の初回に参加者に購入を奨めた『成年後見教室 ●実務実践編3訂版』(公益社団法人成年後見センター・リーガルサポート編著)の利用を常に意識するようにとの、示唆も大事なポイントでした。
4. 第3回の日程・講師決まる
次回、「成年後見制度の基礎3」の日程と講師が決まりました。
第3回研修会は、10月12日(木)午後6時15分から、第1、2回と同じ、ふじみ野市の「産業文化センター」の「第2会議室」を会場に、開催されることが予定されています。
講師は、司法書士も兼業されている朝倉保彦会員で、テーマは、「法定後見の申立」となっています。
多くの会員の皆様の積極的なご参加をお待ちいたします。