令和3年度「行政書士による交通事故業務」支部研修会を開催

7月27日(火)、8月3日(火)及び9月14日(火)の全3回の日程で、ふじみ野産業文化センターにおいて、本年度最初の支部研修会が開催されました。

今回は、講師として当支部会員の小野喜章先生をお招きして「行政書士による交通事故業務」というテーマで講義をしていただきました。本講義は行政書士として相談を受ける際の注意点や相談者から必要なことをどう聞き出すかなど、実務的な知識を身に着けることを目的にしたものです。

課題に取り組む研修参加者

今回の研修では従来とは趣向を変え、実際の相談を想定し小野先生を相談者、研修参加者を相談員としてロールプレイングを行い、その後、小野先生から研修用に創作した本事例の説明を行う方式で実施され、当日参加者は、第1回研修会は13名、第2回研修会は12名、第3回研修会は8名で、研修参加者はそれぞれ課題やロールプレイングにあたりました。

第1回の研修は、事前に課題が出され、相談員の立場から「相談者から何を聴取すべきか」、また、相談員の立場から「相談者に対する許されない発言」を考察した上で聴取内容を用意して、2~3人が班になって順番に入れ替わり、小野先生の想定した交通事故相談に相談員として聞き取りを行う形式で進められました。相談の進行により確信に触れると関連した資料が配られ事実関係が徐々に明らかになって行きました。その後、小野先生から想定した架空の交通事故についての解説や相談者の心情、損害保険の基礎知識等に触れ当日の研修は終了となりました。

相談者からの質問に回答

第2回の研修は、第1回の研修で想定した架空の交通事故相談の相談者から相談員への質問に対してどの様に答えるかを問うものでした。質問の内容は損害賠償請求できる法的根拠、行政書士は何ができるのかの他、保険の知識や解決の方向性等、多岐に渡り、研修参加者は3~4人が班になって話し合って質問に対する回答を発表していきました。その後、小野先生から各班の回答結果からポイントとなる箇所の解説があり、交通事故相談に必要な知識の掘り下げがされました。

第3回の研修は、第1回及び第2回の研修実施結果を踏まえて交通事故被害を受けた相談者の家族の為にはどのような解決方法があるのか方向性を問うものでした。研修参加者は事前に課題として配布された資料(相談者家族の通院状況や加入している自動車保険の情報)から対象者全員の利益になることは何か、適用可能な加入者の保険の種類は何かなどを着眼点として、相談者は今後どの様な請求ができるか検討し発表しました。その後、小野先生から回答に対する補足として保険に関する解説と実務経験を踏まえ具体的な活用事例の説明がありました。最後に小野先生から今後の当支部としての交通事故業務への期待や本業務に対する思いを語っていただき全3回に亘る研修は終了しました。