1. 平成30年度第1回支部研修会開かれる
前年度に続いて、今年度も、東入間支部として、年間を通じて複数回(見込みとしては5回くらい)の研修会を開くことになりました。
第1回は、「任意後見契約書(公正証書原案)作成業務の実例紹介」について、これまで多数の案件を受託された実績をお持ちの、当支部副支部長の正木賢一会員に講師をお願いしました。
成年後見に関する分野は、国の定める5か年計画に基づき、自治体ごとにその地域の特色を活かした形で、仕組み作りが行われています。
私たちが活動する東入間支部管内2市1町でも、様々な検討が続けられていますが、今後の成年後見に関係する多様な要請・需要の増加が見込まれます。
2. 成年後見制度の多用な利用に対応して
こうした社会的要請・需要に応え、行政書士としての仕事の機会拡大に繋げるため、現に、社会の中で実際に取り扱われている実例に触れる機会を多く持つことの必要性を十分認識したうえで、研修会を組み立てていくことが求められています。
そのような環境のもと、7月18日(水)午後6時15分から、ふじみ野市産業文化センター第3会議室で、今年度の皮切りとなる第1回の支部研修会を開くことにしたものです。
当日の参加者は、講師を含めて、会員15名を数えました。
開講一番、筆者が受講者の一人として驚いたのは、研修資料の質の高さとそのボリュームでした。
実際に、講師が過去に取り扱われた事案の解説にフィットするよう、講師が苦心されて編集されたことが、ひしひしと伝わってきて、講義が始まる前にいきなり感激してしまいました。
さらに驚いたのは、研修レジュメの「サブタイトル」(?)でした。曰く、「やればできる! 君ならできる! 行動だ! 行動だ! 挑戦だ! 挑戦だ!」と、1行目は、比較的小さく、次の行は、少し大きく、3行目の繰り返しは、さらに大きく、最後の繰り返しは、それよりもさらに太く大きく表示されていて、開始前に既に講師の気迫と熱意に圧倒されてしまいました。
3. 事例解説のあとのグループ研究
講義は、1.成年後見制度の種類 2.任意後見制度とは 3.任意後見契約の手続・要件 4.任意後見契約の形態 5.任意後見制度のメリット・デメリット 6.死後の事務 7.契約書類作成に当たって特に留意する点は 8.実例紹介 といった豊富な中身を有する講義レジュメに沿いながら、諄々と進められました。
ことに、今回初めて紹介された6件の実例は、1件ごとに、しっかりした裏付け資料を参照して、それぞれ中身の濃い内容でした。事例一つ一つの重みが、聴く側の胸に響きました。
ここでは、その一つ一つについて紹介することは、士業者としての守秘義務や個人情報保護の観点から控えさせていただきますが、今後、仮に、受講者である会員が、任意後見制度を活用すべき立場になったと想定したとき、すぐにでもその知識が活きてくるものと感じられました。
一連の講義の後、若干の休憩時間を挟んで、講師からの投げかけによるポイントについて、受講者を3つのグループに分けて、意見交換を通じて知識の深化を図ることになりました。
講師からは、それぞれのグループに実例を2件ずつ別々に指定されて、その実例ごとに、「任意後見契約」を締結し実行する際に、特に「留意すべき点」と「その中身」を抽出するよう課題を与えられました。
それぞれのグループに分かれた受講者たちは、与えられた課題に沿って、熱心にディスカッションを重ねて、決められた時間内に一定の纏めを行っていました。
5. 講師と受講者のディスカッション
その後、講師から指名されたグループの代表者が、それぞれの回答の発表を求められ、いろいろな観点から取りまとめられた意見が発表されました。
グループそれぞれの見解に対して、講師からは、その都度丁寧な解説や助言が添えられました。
前年度の支部研修会の報告記事でも触れましたが、実務に関する研修では、お話を お聞きするだけよりも、講師や受講者同士の意見交換の中で、知識がより多くかつ正しく吸収されたように感じられました。